ニーナはシルバから無言の圧力をかけられたように固く口を閉ざしているし。

このまま有耶無耶になりそう…と思って溜息をついた。

すると、それを背後で聞いていたシルバも溜息を一つ吐き…




「止まれ。」


シルバの一言で、並走していた兵士が止まる。

その数と言ったら数十メートル先まで連なる程で…

中間辺りを走っていたシルバの馬が止まると、兵士もたちまち進行を止めた。





「シルバ、どうしたんです?」


前を走っていたウィルが引き返してきた。




「ここで休憩する。」

「休憩?」


シルバの言葉に訝しげな顔をするウィル。





「デュークと落ち合うのは明日だろ。急ぐ必要はない。」


頑なな態度を示すシルバに、ウィルが益々訝しげな顔をする。

しかし、私の方に視線をやり…ハッと気付いたように目を瞬かせる。

そして、ふわりと優しい笑みを見せたかと思うと…




「そうですね、では少し休みましょう。イースト地区に着く前にお話ししたい事もありますしね。」


そう言って、馬を脇道に寄せた。