聞き返せば、ニーナも困惑した表情になり…
「えっと……夜の方ですが…」
「夜に盛り上がるの?何故?」
思わぬニーナの言葉に、やっぱり思い違いがあった事を確信する。
再び問い返した私に、ニーナは……
「え゛……エレナ様…もしかして……」
ピシッ…と表情が固まったかと思うと、恐る恐る口を開く。
「どうしたの?ニーナ。」
明らかに様子のおかしくなったニーナに声をかける。
「あのぉ…つかぬ事をお伺いしますが、シルバ様と二人きりでどんな夜を過ごされているんですか?」
「夜はいつもシルバの帰りを待って寝るだけよ。だって、シルバは仕事で疲れているでしょう?」
シルバが後宮へ帰って来るのはいつも夜中。
先に寝ていろ…と言われるのだけど、シルバが居ないと眠れなかった。
だから、シルバの帰りを遅くまで待ち…
帰ってきたら安心して眠ってしまうのだ。
けれど、シルバも疲れているからすぐに寝ている筈だわ。
だからどんな夜を過ごしていると聞かれても、そんな答えしか出てこないのだが…
「はぁ……シルバ様不憫な……」
ニーナは深い溜息を吐き、同情とも取れる様な言葉を口にする。
さっきまで自分も何が何だか分からずに答えていた癖に。
一人だけのけ者にされたようで少しムッとした。