だって……シルバの傍にもっと近づけるから。
寒い…と言う理由があれば寄りそう事も出来る。
朝起きれば、いつもシルバが布団ごと抱きしめていてくれていて。
温かい腕の中と夜よりも縮まっている距離が嬉しかった。
だから、“寒くない”という言葉で誤魔化したのだ。
結局押し切られてしまったけれど…
しゅん…と沈んでいると、ニーナが口を開く。
「そうですよね。確かに朝方はちょっと冷え込みますけど、大した事ないじゃないですか。」
先程シルバの前で言えなかった不満が零れる。
「それに、これくらい際どい方が刺激があって良いのに。」
口をとがらせてブツブツと文句を言っているが…
「刺激?」
腑に落ちない言葉に、首を傾げる。
するとニーナはパッと笑顔になって返事をする。
「はい!やっぱり雰囲気を作るのは大事だと思って。」
パチッと胸の前で手を合わせ、ニコニコと笑うニーナ。
「いつもよりも盛り上がりましたか?」
「盛り上がるって?」
期待の色をのせた瞳に、思わず聞き返す。
どうもニーナと私の間には何かズレがある。