階段を急いで駆け降りる。

「うわっ!!」 「ちょっ、なつ!!」

気づいたら体が傾いていた。

あー、さよなら、私のスクールライフよ。
そんな事が頭をよぎり目を閉じた。

「…っと、あっぶねー」

あー、痛いよぉ。体がぁー、いーた……くない!!

「おい!なつ、いつまで目閉じてるんだよ」

そう言われて頬をペチペチ叩かれた。

私は目をそぉーっと開けてみた。

「うぉっっ!!」 

目を開けた私の視界には、空太しか入ってこなかった。

近い、近い、ちかいよー。 ある意味死ぬ。 
そう思い私は目を閉じ……ようとしたんだけど空太によって止められた

「なつ、いつまで一人演技してんの。はい、立って」

そう言って空太は顔を遠ざけて立ち上がり私に手を差し出した。

「ごめん、ありがとう」 

そう言って立ち上がろうとした私を、なぜか空太が抱きしめた。

「えっ、あの…、えーと、空太? どー「少し黙って」

そう言って空太はさらにぎゅーっと私を抱きしめた。
しばらくそうしたままで空太が口を開いた。

「なつ…?」

「んっ?なに?」 

そう答えつつ心臓はバックバクだった。空太に聞こえちゃうっ。

「痛いとこは?」 

「ないよ。」 「本当に?」 「本当に。」