そんな凛を追いかけるようにして空太も歩き出した。
あっ、空太と凛行っちゃう。あたしも行かないと。
そう思っても足が踏み出せなかった。
空太が何歩か歩いたところで、振り返った。
「なつー、早くおいで?」
そんな空太の言葉に涙が出そうになって、あー、あたし、空太のこと本当に好きなんだなぁって思った。
「おい、まだいじけてんの?悪かったって。」
したを向いて涙をこらえるあたしにそんな声が降ってきた。
「ううん、違うよ。ごめんね。なんでもないの、いこっか」
流れそうになる涙をこらえるのに必死で声が震えた。
「どうしたの?なつ?」
「え?何にもないよ、ほらいこ?」
今度は空太が歩き出さなくなって、あたしを訝しげに見つめてきた。