知らない無人駅に2人だけで取り残された。

電車のドアが開いた瞬間、腕を引かれて強制下車。電車が言った後も、なぜか手首を掴まれたまま。


「なんなんですか」

「どーせ戻るんでしょ?だったら一緒に帰ろっかなぁって」

「……そりゃ、どーも」


掴んでいる手の甲を思い切り抓ってやると、簡単に離れていった。


「意外と凶暴?」

「さぁ」

「ふーん」

「なんなのよ」


頭の上から降ってくる楽しげな声に顔を上げる。


「いや、梅ちゃんって面白いなぁと思って」

「…………は?」

「あ、ビックリしてる」