初めて話した翔くんは、少し怖くて怯えてしまった私。

彼はバツが悪そうに頭の後ろに手を回して、私から視線を逸らした。


『なんて言うか、ほら、心配だから』


必死に言葉を探している翔くんを見てたら、だんだん可笑しくなってきて。


『なーに笑ってんだよ』

『ご、ごめん、っ、』

『お前なぁ』


呆れたように息を吐いた翔くんも私につられたように笑い出して。

その日、私の家までの道を初めて2人並んで帰ったんだ。





実はお互いの家がすごく近くにあったこと、私の弟と翔くんの妹さんが同じ中学に行ってたこと、お母さん達が友達だったこと。

全部全部、発覚したのはもっと後のことだった。