「旨かったよ。ごちそうさま」

「それはよかった」


テーブルには彼の大好物ばかりを並べた。

どれもなかなか上手く出来ていて、彼が笑ってくれて、内心かなりホッとした。


「デザートもあるの。まだ食べれそう?」

「どうしたの?今日はやけにサービスいいじゃん」

「へっへっへー」


冷蔵庫に入れていたゼリーは、ちょうどいい具合に固まってくれていた。

実は今日一番苦戦したこの水色のゼリー。浮かんでる歪な星形のフルーツを切るのに苦労した。


「じゃじゃーん」


用意していた短冊と一緒に彼の前に出すと、すごく驚いてくれた。


「そっか、今日って七夕だったね。すっかり忘れてた」

「ベランダにちっちゃい笹も買ってるの。だからこれに願い事書いてね」

「うーん、願い事かぁ」