「っ、いてて、蹴るなよ」


お腹の中から、トントンと鈍い感覚。最近になって一段と張ってきたお腹に手を滑らす。


「……やってみるか、」


フッと思いついた案に、もうすぐ予定日の身重な体を引きずって、まだ少し涼しい外に飛び出した。


こんなことしたら、また旦那様に怒られるだろうか。

頭の隅で浮かんだ心配事は、歩いているとすぐに消え去って、持ち前の突発性に身を委ねることにした。





「さすがに、ちょっとキツいな」


最近は一人で外に出ることもなかったから、近くのスーパーに行くだけで息を切らしている自分に苦笑い。


お目当てのものをぱぱぱっと買い集めて家に戻っただけで汗だくだった。