それから、私と彼のお母さんは、彼を説得するようになった。


警察官なんて辞めて、他の仕事についてほしい。もっと安全な仕事に、変わってほしい。


だけど、彼が私達の言うことを聞き入れることはなく、それどころか、白バイ隊員になりたいなんて言ってきた。


『真結、俺、本気だから』


私は狂ったように泣きわめいた。嫌だ嫌だって、なんとか彼を繋ぎ止めたかった。

でも結局、彼は街の駐在さんから最前線の白バイ隊員になった。

私の思いは届かなかった。


「……はぁ、」


ため息を吐くと、コップから上がっていた白い湯気が踊った。


あれから、もう3年が過ぎていた。