「職業柄、女性と話すことだってあるじゃないですか。

真鶴さんなんか、まさにそうじゃないですか。

女性の相手をしないといけない職業じゃないですか。

なのに、僕が女性と少し口聞いただけで、どうして軽蔑される必要があるんですか」

僕が唇を動かしていることが珍しいんだろう。

頬を押さえ、真鶴さんが見つめている。

「真鶴さんがそんな人だったなんて、思いませんでした」

沈黙。

先に口を開いたのは、
「悪い、雫」

真鶴さんだった。

「嫉妬してたんだよ。

雫が女と話してたことに」

真鶴さんは前髪をかきあげる。