ずっと私がキングに虐められているのを黙って聞いていた奈留ちゃんがふと疑問に思ったらしい。


その言葉に私は顔を上げると、キングは奈留ちゃんの方を向いて。



『完璧?』


首を傾げて聞き返します。

「だって成績はは毎回1位取るし、顔も皇子って言われるくらい整っているし、運動もできるじゃん。
……何か苦手な事ってあるの?」



『無い。』




きっぱり即答するキング。


ちょっとは考えましょうよ。

でも……よく考えてみれば。


そうだ、昔からキングを見てきたけど、出来ない事を見たこと無い。


苦手な事も。




やったことが無い物も教えて貰えばすぐに要領を掴んでできてしまって。

頭が良いから運動はダメかと思っていれば、体育で5をとって。



3をとった私に対して


『頭も普通。運動も普通。顔も普通で何の特徴があるの?』



と、中学生の時に酷い嫌味を言われたこともありました。


弱点を見つけだしてやろうと思っているのは今もかわりないけど、見つかった事はない。


「じゃあ完璧じゃん!」


『……嫌、完璧では無いんだ。』
へ?と奈留ちゃん。

私は黙ってキングを見る。




どこが、完璧じゃないの?