私の解答に付け加えるキング。

公立高校ですが……それが?

『まず、菜月の好きだって言うその金髪の奴はここにはいないよね。校則違反だし。』



「………。」

『それに授業。そいつサボりまくってるけど、ここでサボれる訳ないし。


ちゃんと毎時間出席取られるし、いなかったら空いてる先生で大捜索だよ。』




「………。」

『しかも屋上。鍵かかってて開いてないしいけないじゃん。

煙草なんて校内で吸ってみなよ、抜き打ちの避難訓練が始まるよ?』

あはは、避難訓練!と笑いだす奈留ちゃん。

『まぁ、制服着こなしはまだ分かるけど。皆の前で大声で“好きだ”なんて叫ぶ奴今時いねーよ。』


……何ですかこの私の夢を全否定していく男は。




言っていることが一つ一つ的確で何も間違ったことを言っていないので更に悔しくなります。


校則違反だよって、キングだって中学の時に校則無視して金髪にしてたくせに。





それに好き、だって!


「わ、かんないよ!いるかも……。」

『へ?じゃあ菜月は言えんの?皆の前で好きだって大声で。』



「……。」


『へー、すげぇ。俺絶対言えないわ。恥ずかしいもん。あ、じゃあ言ってみなよ、ほら。』



クッと吊り上げた口角。


悪魔だ、悪魔。



私何も言っていないのに勝手に私が言う空気にされてしまいました。

さぁ言え、と笑顔のキングは目で促してきます。