『ねぇ…俊樹? もし優が結婚してなかったら、ずっと、ずっと、そばにいてくれた?』


『なに、突然そんな事、聞くんだよ…
俺達が赤い糸で結ばれてたら、きっとそうだったんじゃない?』


『なによ~その答え。まじめに聞いてんのに!』


『ったくぅ…すぐ怒る。俺みたいないい奴がいたのに、優はもったいないことしたな。俺様と結婚出来てたのかもしれないのに』

『………うん』

『そんなことよりさ−せっかく遊びにきたんだから、楽しもう』


『うん。そうだね』

きょうは、俊樹と遊園地に来てみた。

割引券を新聞屋さんからもらったから俊樹を誘ったら重い腰を上げて連れてきてくれることになったのだ。


最初、彼は人込みの中を二人で出かける事にあまり乗り気ではなかった……

でも、ど‐しても行きたい!と言い張る、あたしのわがままな、お願いに負けて仕方なくついてきたはずなんだけど……………

え−っ??…仕方なく???


『優、次あれ乗ろう…早く歩いてよ……聞いてんの?…早くいくよ~。列並ぼうよ』って−?!

完全に一人で、はしゃいじゃってるし…
どのへんが仕方なく???ついて来たの?…

かなりはしゃいじゃってますけど…彼…

まぁ−この、さっぱりとした割り切りがいい性格に惚れたのも確かだけどそれにしても幼すぎる…


『ふぅっ…ちょっと座ろうよ…俊樹、歩くの早いんだもん』

『なに??もう疲れちゃったの?これだからお嬢様は困るんだよね…ほら、休まないで、あそこまで歩くよ…』

手を自然に差し出してくれて内心ドキッとした。