『優・・このままで、いいから聞いてて』

抱き着いたまま『うん……』とうなずく。


『あのね………俺、明美と婚約した』

『・・・・・そっか』


なんとも言えない感情が私を襲った。

それでも俊樹が抱きしめてくれてる安心感があり…

『よかったね。おめでとう』って伝えた。


『結局、お前との関係は友達と言っておきながら俺の中では、優は彼女だったんだな。明美と付き合うって決めた時、なんか辛かった。
その時、俺も優を好きだって…やっと気づいたから…』

『・・・・』

『俺の勝手かも知れないけど明美と婚約しても優への気持ちは変える事は出来ないんだ』

『・・・・』

『だから優のことも好きだって明美にも、きちんと伝えたよ。そしたら優にだったら負けても平気だよ。と言ってくれた』


『俊樹は面白いね…笑っちゃう…』


『なんだよ。まじめに伝えてるのに』

『そうじゃなくて。優も俊樹からプロポーズされたみたいだよ…変なの。』

『そうか?なんか変かな?』

『すごく嬉しいよ。「優に対しての俺の気持ちは、ずっと変わらない」と言ってくれた俊樹を信じてよかった』

『今さら好きだって気づくのも遅いよな…ゴメン』