車で家に戻ると、俊樹はすでにメットを外しバイクを眺めていた。

『かっこいいね~惚れ惚れしちゃう。ずっと見ていても飽きないな』

『あのさ優…今から二人で海、見に行かない?』

『今から??急だけど、きょうは予定ないし、いいよ…海、行っちゃおっか』

『横浜にゴー!』さっそくバイクの後ろにまたがると俊樹の腰にしがみついた。

『出発!!』

ブフォォォォ~ン

信号待ちの時には腰にまわしている手をギュッと握ってくれて言葉にない優しさと温もりを感じた。

車と違って会話は少なめになるけど気持ちの繋がりのほうが強くなる気がして嬉しかった。

一時間ほど走ってから団地の中の公園にバイクを止めて、二人でベンチに腰を下ろした。

『優、ひざ貸して…』

『うん』

俊樹は頭を膝の上において横になると…目を閉じた。

青々と繁った草木の中で優しい風が気持ちよく肌に染みていった 。

寝ている、俊樹の頭を撫でながら今までの幸せを噛み締めいろんな事を考えていた。

《私たちみたいに身体の関係をもたずに、満足しているカップルはどれだけいるのかな。この関係がずっと続き大切な人を失わないで済むなら私はこのまま俊樹と一緒にいたい》