学生時代から長く一緒にいるだけあって私の扱いは、さすがに上手かった。


『そう言ってくれるのは嬉しいけど… まっ、一度会ってみるのもいいかもね…』

『うん…ありがとう優。楽しみにしてるよ』


明美を家に送り俊樹の所に、その足で向かった。


『あ~運転久々にしたから疲れたぁ…』

『優、疲れてんの?どした?』

顔を覗き込んで心配してくれる俊樹を見て首に抱き着いた。

『実は、きょうさ……』


朝から幼なじみの親友を迎えに行った事や、俊樹を紹介すると明美に約束した事、
また今の自分の気持ちなどすべて話した。


黙って全部、話を聞いてくれた後、俊樹は身体をギュッと抱きしめ

『優、俺の事を真剣に考えてくれてありがとう。』と言った。

このままだと、俊樹との関係が終わるような気がして長い時間、抱き締め合っていた。


『俊樹?』

『ん…?何?』

『俊樹に彼女は必要なの?』


少しの沈黙の後・・・


『そうだな。今はそこまで慌てて考えていないけど、この先の事を考えると、彼女…嫁さんがいたほうが、いいのかもね。優とエッチしたくなっちゃう前に…
俺も一応、男だから限界あると思うし』

真剣に答えてくれる俊樹を見て自分のわがままな嫉妬心を捨てる決心をした。

『そうだね。 1番大切な二人には幸せになってほしいから… 明美と一度、会ってみて。でも、もし付き合ったとしても、婚約するまで、優には何も一切伝えないって約束して…彼女に無駄に妬いたりして、大切な二人を嫌いになりたくないから』

『わかったよ。それを、優が望むなら、約束を守るから…。それと、この前の看病してくれたお礼の気持ち。はい…』


俊樹から渡されたプレゼントは黒のピアスだった。
『ありがとう』

『耳かしてみ…付けてあげるから』

ピアスを手渡すと馴れた手つきでピアスを付けてくれた。

『どう?』


『似合ってるよ』

この二人の空間がすごく居心地がよかった。