トゥルル…
出てみると幼なじみの親友の明美からだった。
彼女は仕事の関係で海外に行ってて、きょうの朝、成田に着いたということだった。
途中で会うことになり、新宿まで車で迎えに行く事になった。
『明美…こっち、こっち』
迎えに行くと大きなキャリーを引き少し疲れた感じで彼女は車に乗り込んだ。
『お疲れ~久しぶりだね』
『来てくれて、ありがとね…。助かったよ さすが優。フットワーク軽いね…謝謝』
『そんな事ないって!親友を迎えに行くのは、当たり前ですから(笑)
とりあえずご飯食べよ…』
『いいねー』
ファミレスに入ると、私たちは、ホッと一息ついた。
『優に話したい事たくさんありすぎて何から話したらいいかわかんないよ』
『あたしもだよ(笑)ところで、明美、向こうで彼氏できたの?』
『全然だめ、なんか忙しくて、男を作るどころじゃなかったんだ……気がつけば25歳、過ぎてるし誰かいい人紹介してよぉ~お願~い』
『わかった、わかったから、こんなとこで泣き付かないの~(笑)』
一瞬、俊樹の事が頭を、よぎった……
『明美と会う人、誰かいないかなあ…』
あたりさわりのない返事をしたものの…
明美に俊樹を紹介する事が、今の私にはできなかった。
食事を済ませると帰りの車の中で俊樹から電話が来た…
『明美ちょっとゴメンね…』
車を脇に止めて電話に出た。
『もしもし…』
『優? 今へいき??この前、看病してくれてありがと』
『体調よくなって、よかったね。どしたの?』
『そのお礼と言っちゃなんだけど、優に渡したいものがあるから、時間あれば、うちに取りに来てくれる…?』
『えっ…そんなのいいのに』
『夜は家にいるからまた連絡ちょだい…』
『うん、わかった』
電話を切ると好奇心旺盛な明美が
『なに?優、今の電話だれ??男の匂いがしたけど』と聞いてきた。