気がつくと俊樹の手を握ったままうたた寝しちゃって夕方になっていた。

『あっ、そろそろ帰らなきゃ…』

俊樹を起こさないように静かに部屋を後にした。

自分がそばにいてあげられない辛さと俊樹は彼女を必要としている現実を見て自分の中で、いろんな思いが葛藤していた。


このままじゃダメだって分かってるのに俊樹の愛情を手離す決断をするのが、まだ難しかった。


一時間ぐらいして、俊樹からメールが来た。

『来てくれてありがと。忙しいのにごめんな・・だいぶ楽になったよ』

メールを読んで、ホッとした…。

『お大事にね☆ 俊樹、大好きだよっ』

もし、俊樹に彼女が出来たら友達以上の関係でそばにいる事が出来るのか不安になった。


その夜、夢を見た、俊樹が他の子と楽しそうに腕を組んで歩いていた。

近付こうとしても、離れて行くだけで最後は二人が消えて見えなくなった。


目が覚めた時、泣いていた。
いつか現実に起こりそうで、でも認めたくない自分がいて寂しさだけが募っていった。

《ねぇ…俊樹…優は俊樹を失うのが、すごく怖いよ…。》

でも、一番好きだからこそ、俊樹の幸せも、ちゃんと考えないと行けないって、それもわかっている事で・・

まだ見えてない彼女に嫉妬している自分の小ささを実感した。

友達以上恋人未満…それは辛い現実だった。