俊樹の部屋には、ダブルベッドが置かれている。


一人で大の字で偉そうに寝れるからという理由らしいが


『ほんとは彼女が出来る事を期待して買ったんでしょ?』と聞くと

『違うよ』と、むきになって怒るので、あまり深く問い詰めてはいない。


ある朝、俊樹から早朝にメールが来た。

見ると、そこには

『へるぷ』

とひらがな3文字だけが打たれていた??
(何?どしたの‐)と思い慌てて俊樹の家に向かった。

部屋のドアを叩いても何も反応がなく、外からは中は静まり返っていた。

合い鍵を使って中に入ると辛そうな顔をした俊樹がベットの中でうなっていた。

『としき・・大丈夫?風邪ひいたの?』

おでこに手をあてると、あまりの熱さに手をすぐに引っ込めた。

『すごい熱じゃん・・』

シャツは汗でびっしょりと濡れていて熱を計ってみると……

39.5を表示していた。


『うわっ…、40度近い。これじゃ・・かわいそう』


いまだに一言も話す気力がない俊樹を見て辛さが伝わって来た。

洗面器に水を溜め冷蔵庫にあった氷をすべて投げ込んだ。

『大丈夫?』

頭に冷たいタオルをのせると

『気持、ち、いい…』

目を閉じたまま俊樹が呟いた。

『よかった…。』

タオルは熱ですぐに熱くなり何度も水にひたしながらタオルを変えた。

そのまま3時間ぐらい時間が過ぎた頃、顔の表情は赤みがとれて熱が少し和らいだ感じがした。