『美味しかった…ごちそうさま』

『優、また来よう』

お店を出ると外に置いてあるベンチに二人で座った。


『空が青くて綺麗だな』


『ほんと、雲一つないってこの事だね…』

『優、お願いがあるんだ…』

『えっ?俊樹が??珍しいね…なんでも言ってよ…俊樹くんのお願いならなんでも聞いちゃうから☆』

『じゃ…キスして…』

『え~昼間っから外で堂々と何、言い出すの?』

『恥ずかしいならホッペでもいいから…』

でもあまり普段は甘えない俊樹が、キスしてって言ってくれるのは、嬉しかった。

『わかった…じゃあ目つぶって…』

頬に唇をつけた瞬間、おもいっきり風が吹いた。

『昼間っからイチャイチャするなって怒られちゃったみたい』

『ほんとだな…。だったらもっと見せ付けなきゃ』

『キャッ何??』

驚く間もなく、俊樹に唇を奪われ抱きしめられた。

この人って…かなりのドS…………。

帰りの車の中で、何も言わずに手を握られた。

『男友達と遊ばないから優の事も信じて』

繋いだ手を”ギュッ”と、強く握られ

『優の好きにしていいよ』

と俊樹は言った。

『まったく、素直じゃないんだから…!』

『いいじゃん…俺様のそういう所が、優は好きなんだから…』

『普通自分でそんな事、言わないんですけど…』

でも、優は俊樹との曖昧な関係が今すごく幸せです。

《友達以上恋人未満》

私たちが幸せであるための一つだけの約束。