前の彼女との思い出を、なくそうとして優をここに連れて来たって事は、俊樹の中で優は彼女って事かな…?
んっ?違うの?
まっ…きっとそんな深い意味はないんだろうけど・・・
店内は少し薄暗くキャンドルの明かりだけが灯って気持ちが暖かくなりそうな風陰気のお店だった。
『何、食べたい??』
メニューをテ‐ブルに置き 見やすい様に開いてくれている優しさが、すごく幸せで このまま時が止まればいいのにって感じた。
『優は決められないから決めていいよ』
『じゃ…パスタと肉、両方、頼もっか?』
『うん…』
注文を終えると…俊樹とたわいもない話しを交わした。
15分ほどたった頃、美味しそうな料理が目の前に運ばれてきた。
『いただきま~す』
子供のような笑顔で食べ始めた。
このギャップが私は、すごく好きだな…
『優、これ食べてみなよ、美味しいから』
パスタを一口お皿の上に乗せてくれた。
『ほんとだ美味し~い…やっぱり食べてる時が一番幸せだね…』
『確かに……(笑)』
『ところで、ここに連れてくるの優でよかったの?』
『えっ? 〔モグモグ〕たのって、〔モグモグ〕言われ…て…も』
『あのさ~ 口の中無くなってから話してよ…』
『んとね、優を連れて来たかったから深く考えなくていいんだよ』
少し沈黙があり優しい目で見つめられた。
瞳が子供のように純粋で綺麗すぎて、目をそらしながら
『ありがと。嬉しい』
と答えた。