『今から来ない?』と俊樹に誘われた。


部屋に行くと、昨日の事で優を心配してくれてた事が目を見てすぐにわかったから、

『心配かけてゴメンね…』
と謝ると

《他の男とはもう会うなよ。》
と言うように、
私の頭を軽くポンッと叩いた。

さりげなく気持ちを伝えてくれる優しさで、俊樹から愛されてる事を実感した。

『もうこんな時間か昼でも食いに行く?』

『うん…行きたい』

『じゃぁ~俺さ。 着替えるから…ちょっと待ってて』

寝室に入っていった俊樹を追いかけて


『優がズボン脱がせてあげるよ…』

『自分でやれるから、いいから…向こうに行ってなさい!』

『えっ?優が触ると、感じちゃうの~?』

『まったく、エロ優は…おとなしく待ってなさい!』

『ふぁ~い。なんだ〜つまんないの・・』


こういう、ささいなやり取りが、何年か先に懐かしく思えたり、あの時は楽しかったな…って感じるんだろうな。

俊樹が着替え終わると、二人で車に乗り、40分ほどの所にある、少し高台のレストランに向かった。


『この場所初めてだね』


『ここさ、いい店なんだよね。昔の彼女ときたんだけど、この店に来た思い出を、優と来た場所に塗り替えようかな…?と思って連れて来たかったんだ…』

『それって、優は喜んでいい事なの??』

『当たり前じゃん』

言葉少ない一言が、かえって重みを増した。