PM6時50分………


外にでると、真っ黒にテカったグロリアがとまっていた。


パッシングをされて、助手席を開けると、スーツ姿の隼人がいた


『車、変えたんだ~カッコイイ……』


『型はだいぶ古いけどな。
優、久しぶりだな…会いたかったよ』


『うん……久しぶりだね』


助手席に座ると、何も言わず抱きしめられた…

『隼人……』


隼人は私の表情を見ただけで、何があったかを察してくれていた。


『俺がいるから大丈夫だよ』


その言葉を聞くと涙がとまらず抱かれたまま時間が過ぎた。

『優… 一人で悩んじゃ駄目だよ。』

『うん……ありがとう』

『じゃ行くか………』

車を走らせると、隼人はずっと手を握ってくれていた。


横浜の夜景は、昨日の涙を忘れるぐらいの美しさで、見ていると夜景に吸い込まれて自分も少し輝けそうな感じがした。

『なんか気持ちがスッキリしたよ』

『俺はいつでも、ずっと優の、味方だから』

学生時代から、ずっと隼人は、私を守ってくれた…彼氏と別れて泣きたい時にいつも傍にいてくれたのは隼人だった。
家を飛び出した時もいつも隼人が優を助けてくれた。

隼人も、こんなに優しいのに、それなのに俊樹の事が頭から離れないまま家についた。


『連れてってくれてありがとう!』


『おう!またな…いつでも連絡しろよ』


『うん。わかった。…またね』