俊樹は優に愛されたいって望んでいるわけでもなくて…

優は俊樹にとって彼女が出来るまでの都合のいい女だったのかも。

家に帰っても、俊樹に愛されない自分が惨めに思えた。

それで、俊樹に遠慮して男友達の誘いを断るのがバカバカしく思えて、友達と遊ぶ事で彼の存在を薄くしていこうと思った…


ブルブル …着信を見ると俊樹からだった

『もしもし…』

『あっ…優? 俺だけど、明日の夜、連れて行きたい場所があるんだ…だから予定開けといてくれる?』

『明日?? もう予定入れちゃったから無理なんだけど』

俊樹の誘いを、ただの

『予定』

という、おおざっぱな理由で断るのは初めてだった。


『えっ!?マジで?
もしかして男と遊ぶ約束してるとかじゃないよね…』


『…なんで、そんな事、聞くの? 優が誰と遊んでも興味ないって言ったのは俊樹じゃん…』


『なに怒ってんの?
興味ないなんて、俺そんなこと言った?』


『昨日の今日で自分が言った事、忘れてんの??なにそれ???
優が何しててもいいんでしょ!』


『わかったよ……優の好きにしろよ。…切るね』


ツーツー
一方的に電話が切れた……