『なんか隣に座るの恥ずかしいからいいよ。』

好きな人と密接した中にいると緊張がピークに達っする……

『大丈夫だから、こっちに、おいで…』

力いっぱい手を引っ張られると俊樹の隣に座らされた。

『ほんと強引なんだから。恥ずかしくておかしくなりそうだよ』

『(笑)何いってんだよ…いまさら 優らしくないぞ…』

俊樹の顔もまともに見れず…

『ゴメン……でも……この空間…なんかダメ…』って答えた。

『夕焼け綺麗だな… 優もこれぐらい魅力があれば、俺のものにしてるのに残念だよ』

『また、そうやっていじめるんだから、
どうせ魅力のカケラもないですよ』

『あっ!また怒った~(笑)いつもの優に戻ったじゃん……よかった、よかった』

この緊張の空気を和ます為とはいえ、毒舌なんだから……。

『グスッ……………ひどい…。いじめた…罰として……(笑)』

『何すんのッ!』と言う言葉に耳を貸さず…
俊樹の髪をかきあげ、
おでこに

『チュッ』

とキスをした。

『うわっ…本当に罰ゲ-ムだね!』

意地悪そうに笑う彼を見て

『そんな事、言う口も塞いじゃうから』と言って唇を重ねた。

久しぶりのキスと、綺麗な夕焼けにキモチが高まり舌を絡めあって、お互いの気持ちを確かめあった。

『優…あのさ』

『何?』

『本当は俺だって、優のそばにいたい時も沢山あるけど…でも、優は俺のものじゃないから。俺に彼氏としての愛情を求めても、優を傷付けるだけなんだ……
だから、優の気持ちに、これからも答える事はできない。ゴメンな…』

その言葉を聞いて夕日の中で、さっき彼に愛された一瞬に時間を戻したかった。


わかってたつもりだったけど、その言葉は俊樹に『嫌い』と言われるより辛くて涙が止まらなかった。

友達以上恋人未満…世の中にそんな関係は存在するのだろうか……

私は今までの二人の思い出すべてを忘れる事にした。