手を握られたまま

『素直になったね。優、一緒にいれて嬉しいよ』とプチ告白…

『え~こんなところで、嬉しくなっちゃうこと言わな…………《ガタガタ…》いでよ。
うわっ…キャ~~~~キャ~~~~』


おもいっきりタイミング悪いんだけどぉ~~~~~って言うか、これ、マジで怖すぎぃ~~~
キャ~~~~~~怖すぎて、もう声にもならない………。

ふと、俊樹のほうを見ると…

気持ち良さそう………

しかも笑顔……なぜ?笑顔……?

あたしが、こんなに怖がってるのがバカみたいじゃん…


でも、しっかり手を握っちゃってるし…

恥ずかしい……

怖いのと恥ずかしさで気が飛んでった…

『………………………』

『あ~………ほんと、もうダメ』

『お疲れ様でした~』

ガタガタ……

『優…大丈夫だった?』

『何?これ?ありえないんだけど、どっと疲れたよぉ…』

『俺はかなり楽しかったよ…』


笑顔で話す彼を見て

『俊樹が楽しかったなら、よかったよ』

って素直に言えた


《でも二度と乗らない…》

『優、いこっ』

降りてからも、ずっと手を握ってくれてる彼の心境の変化はなんだろう…と思いつつ、そんな自分勝手な彼が愛しく思えた。

『次はさ−!お決まりの観覧車でも乗ってみる?』

『うん…乗りたい』


日が沈みかけて綺麗な夕焼けが空いっぱいに広がっていた……


『《ガチャ ガチャ》足元に気をつけてお乗りください』


向かいあって席に座ると俊樹が自分の隣の席を叩いて隣にくるように促した…。