ツナマヨのおっちゃんがレジに向かうのが見えて、俺も取り敢えず会計を済ませようとレジへ足を向ける。
　
途中パンコーナーでホットケーキサンドが目に入って思わず手に取った。
　
夕飯時にもかかわらず、駅から少しはずれにあるせいで客足の少ないこのコンビニは、レジを一人でまわしてる。
　
だから俺も必然的にギャルバイト。
　
俺はレジに品物を置く。
　
思わず手に取ってしまった１１０円のホットケーキサンドと、場を紛らわすために持っていたはずのフェイク用梅おにぎり１２５円。
　
俺はシャケおにぎりを買いにきたはずなんだけど。
　
気づいた時にはもう遅くて。
　
バイトはすでにバーコードを読み込んでいた。
　
梅おにぎり、ふっくらシリーズだかなんだか知らないけど、高いよ。
　
俺は、おにぎりは１１０円のまでしか買わない主義なんだよ。
　
「全部で２３５円になりまぁす」
　
バイトの声に諦めて、サイフのマジックテープを剥がす。
　
びりり、って心なしかいつもより悲しい音。
　
中を覗くと、ぎりぎり１００円玉が３枚。
　
「３００円出しまぁす。」
　
目には目を作戦決行。
　
俺はジャラジャラと小銭受けに１００円玉３枚を出した。
　
「お預かりしまぁす。」
　
って。
　
バイトはいっさい動じなかった。
　
目には目を作戦失敗。