「僕達は誰よりもアカリのことを慕っててね。アカリが決めたことに反対する理由がないんだ。だからアカリがイツキを認めた時点で、それはもうakatsukiの意志ということになる。つまり、僕達は最初からイツキを認めてるんだよ」

「それを何よ、俺は強くないとか言ってさ。素直にわかったって言えば可愛いものを」

「いや、勝手に俺の強さ認められても…。そもそも喧嘩とかしたことねぇし」

「――イツキ」

急にアカリがポツリと呟いた。

「何だよ」

「さっきのことだ」

「さっきって、あの男とのことか?」

「ああ。もしあのまま私が止めなかったらどうなっていただろうな」

「どうって…どうもなってなかったよ」

俺は何度も瞬きした。

気持ちが落ち着かないときに見られる俺の癖だった。

「いや、君は確実にサヤマと乱闘しただろう。そして勝ったはずだ」

「…何故そう思う?」

この問いかけにアカリは口元を綻ばせた。

「何故、か。それは君が一番よくわかっているはずだが」