「何が目的だ。何しにここに来た」
「何しにって…知るかよ。ただ親の都合で越してきただけだ」
「なら何故あの席に座ることが許される?何か仕組んだんじゃねぇのか」
「俺が知るかよ。それにもし仕組むんだったら、絶対あの席は選ばねぇ。ただでさえ新しい環境が苦手なのにわざわざ目立つ席にするか。ていうかそんなに気になるなら先生にでも訊いてみればいいだろ」
「…あの席に誰が座るかを決めるのは教師じゃねぇ」
「はあ?じゃ、誰が決めるんだよ」
「ここのトップだ」
「トップ?トップって…うわっ!」
そのとき、俺達の思考を遮るようなエネルギーに満ちた強風が吹いた。
春の匂いに包まれたのと同時に俺はもうひとつ別の匂いを嗅いでいた。
花のような、甘く芳しい香り。
一瞬、夢の中にでも引き込まれたような心地になったが、次の瞬間――。
「私だ」
「何しにって…知るかよ。ただ親の都合で越してきただけだ」
「なら何故あの席に座ることが許される?何か仕組んだんじゃねぇのか」
「俺が知るかよ。それにもし仕組むんだったら、絶対あの席は選ばねぇ。ただでさえ新しい環境が苦手なのにわざわざ目立つ席にするか。ていうかそんなに気になるなら先生にでも訊いてみればいいだろ」
「…あの席に誰が座るかを決めるのは教師じゃねぇ」
「はあ?じゃ、誰が決めるんだよ」
「ここのトップだ」
「トップ?トップって…うわっ!」
そのとき、俺達の思考を遮るようなエネルギーに満ちた強風が吹いた。
春の匂いに包まれたのと同時に俺はもうひとつ別の匂いを嗅いでいた。
花のような、甘く芳しい香り。
一瞬、夢の中にでも引き込まれたような心地になったが、次の瞬間――。
「私だ」