え―――




一瞬だけ、体に衝撃がはしった―




「あの、ほんとにすいません…怪我とかないですか…??」




目の前の人が心配してくれてるにも関わらず、私はフリーズしていた。




すると向こう側から、




「悠太(ユウタ)!!お前何やってんだ…って!!」




ぶつかった人より少し大人めな人が駆けつけてきた。




悠太「いや、あの…ぶつかっちゃって…」




「だから走るなって言っただろ!…ほんとにすみません、立てますか?」




と説教を始めたと思いきや、まだ座り込んでる私に手を差しのべてくれた。



不覚にもドキッとしてしまう私…




稟「ありがとうございます。あ、あの、大丈夫なんで…」




「ほんとにすいませんでした。ほら、お前も謝れ!」



悠太「すいませんでした…!!」




そう言って2人揃って頭を下げだした。




そこまでしなくてもいいのに…
ちゃんと用心しなかった私にも非があるんだから、




稟「ほんとに大丈夫です!そちらこそ、怪我とかしなかったですか?」




「こいつは大丈夫です!そちらこそ、傷とかないですか?」




正直なところ、ふくらはぎの後ろに擦り傷ができてしまっていた。




稟「傷って言っても、かすり傷なので大丈夫ですよ!気にしないでください、では―」




そう言って、この場を離れようと思った。