「・・こ・・こう?」
学校に着いてから真衣は笑顔を練習している。
女子トイレで。
「そう。それで」
「港太くん、おはよう」
あたしってば、天才かもしんない。
あんなに、真っ赤になってまともに“おはよう”さえ言えなかった子を微笑みながら上目づかいもし、そして武器をフル活用する子にまで育てるなんて・・・!!
感激のあまり自分の世界に入り込んでしまったあたしに真衣が
「サンちゃん!?どうしたの!?」
涙目で言ってくる。
「・・・あ、何でもないわ。大丈夫。今の貴方なら大丈夫よ。さぁ、行ってきなさい。」
背中を押し、トイレからださせる。
っと、あたしは見学。
ちょっこっと力を使って透明になり真衣を見守る。
「港太くん、おはよう」