「それはそうと!!
お前、高校どこ行ったんだっけ。」
制服を渡され着替える。
その隣で健太先輩が問う。
「あぁ・・・、星原です。」
一言、名前を言うと先輩は驚く。
「あの星原か!?お前・・確かスポーツ推薦じゃなかったっけ・・・」
記憶を探り出すように頭をひねってる。
「そうでしたね、」
輝いてた頃の俺はもう遠い昔のよう。
「・・・こんなことしてる暇あるのかっ!?」
すらりと答えた俺に驚いて口をあんぐり開けてた先輩は我を戻して怒鳴った。
「・・・怪我、したんです。
その怪我のせいでもう、バスケはできないって医師にいわれて、もう、辞めたんです。」
陽だまりから一変、暗く日陰の中に落とされた。
あの、絶望ともいえよう
夏の一日。
「・・・そ、っか・・・」
先輩はバツが悪そうに視線を落とした。