「何からみる?」「じゃあペンギン」「ペンギンね」

二人は看板の案内図でペンギンの校舎を探しそこまで歩いた

雨の中ペンギンはうれしいのか外に出て

水の中に飛び込みを繰り返した

「かわいそうね」「何が」「飛べないでしょ鳥なのに」「どうして鳥なのに飛べないんだろうってペンギンは考えないのかしら」

「そんなこと考えないよ動物は」「そうかしら」「私も両親が事故でなくなってから飛べなくなったから」

少し無言が続いたあと僕は「じゃあ僕が君の翼になってあげる」といった

「支えてあげる苦しいときやつらいとき」「君の力になりたいんだ」「経済的には何も援助できないけど」「君の支えになりたいんだ」

そういい終わると文子を抱きしめた

ひとつの傘の仲二人はキスをした・・ペンギンの檻の前で

人影はまばらでもっとも雨の動物園なんかに来る物好きな客は僕たちくらいだった

また僕らは歩きだした・・「次は?」「次は象さんが見たい」

「象ってね一度怒らすとものすごく根に持つんですって」「ふうんなんか動物学者みたいだな」

「動物は人間を裏切らないから好きなんです」「家にも猫飼ってるんですよ」「そう猫を」

「ねえどんなことを私のどんなことを知っても嫌いにならない?」