カラン・・・・・・・・・ドアを開けて入って行くと室内はアンテイークの置物や家具でひしめきあっていた

奥の席に二人は腰掛けた


「すごい雨だったね」「ええ」文子は時折うなずいたり微笑んだりはするが口数の少ない女性だった

「でもそれが元でこうして君と知り合えた」「ええ」

服の上からうっすらとブラが透けて見える、また健吾はどきどきした

「まだ服ぬれちゃってるね」「ええ」「すみません・・」「扇風機持ってきてくれませんか?」「何をするんですか?」おくからやる気のない声のウエイトレスが来た

「服を乾かしたいんだ」「はい」億劫そうに奥から扇風機を持ってきて

健吾の前においた

[これで少しはいいかな」「何飲む?」「私同じものでいいです」「じゃあ俺アイスコーヒー」

二人はさっきの話の続きをしだした

健吾は夢中になって話しているのを文子が聞いているそういう感じだった

「今度は君の番だ」「君の事を教えてほしいな」

「私はこの先の坂の上にある形成外科で働いています」

「形成ってあの??」「そう形成」「鼻を高くしたりあごを削ったりするあの形成外科」

「そこの看護助手をやっています」「そうなの」「僕は家の家業をついで、ジュエリーデザインをやってるんだ」


「あっと、記念にこれあげるよ」そういうと健吾はおもむろにポケットから十字架のクロスにハートのモチーフがついたダイアモンドのネックレスを取り出した


「こんな高価なものはもらえません」「いいの、家にいくらでもあるんだから」「それに元値はすごく安いんだから」「君に僕の作った宝石着けてもらいたいんだ」

そう健吾は言い終わると手を伸ばし文子の首にそのネックレスをつけた