「あの…ちょっと……。」
いつものように窓の外を眺めながら、昔の事を思い出していると、突然誰かに話しかけられた。


2年になって、同じクラスになった男の子…。
えっと……何くんだっけ?

思い出せないというより、憶えてない。


それに関わりたくなかったし。
興味がなかったので全く覚える気がなかった。




「……誰?」
つい声に出して聞いてしまった。
「えっ、あ、俺は南郷晶。
同じクラスなんだけど……まぁ良いや。
いつも1人で居るけど、何でかなって。」
南郷とやらは、勝手に名乗って話し始めた。


正直、急に話しかけられてビックリした。
今までそんな風に私の事を気にとめて、話しかけて来た人なんて身内以外居なかったから。



「別に…誰かと関わって、後々ゴタゴタするの面倒くさいし。」
とりあえず、不機嫌気味に言ってみた。

「でもさ、別にそんな子ばかりじゃないよ?」
南郷は私のそんな態度に特に気にした様子もなく、再び話しかけて来た。


「知ってる。
でも、上辺だけの関係とかどうでも良い。」
「そっか。
まぁ別に無理に誰かと関われなんて言わないけどさ、ほっとけない性格だからさ。」
そう言って、ヘラっと笑って見せた。


それからもお節介にも南郷は、チャイムが鳴って先生が来るまで話し続けた。




初めの印象は、ぱっと見少し地味だと思ったのと…本当にお節介な奴だった。