「李緒、大丈夫か?」
「うん。」
「先生がそろそろ家族でじっくり話した方が良いって。」
私が蓮くんに大丈夫だと言おうとしたのに、アニは先生の言った事をそのまま伝えてしまった。



「アニ!」
「蓮兄にまで嘘ついてどうすんだよ。

一応保護者なんだから。」
「一応って、お前何気失礼な奴だな。」
蓮くんはアニに少し呆れた顔を向けた。



「だって、間違ってないだろ?」
アニは悪戯っぽい顔をして、蓮くんをおちょくった。


「お前なぁ。」
蓮くんは少し拗ねたので、私はおかしくなって、ちょっと笑ってしまった。



「何か…お前が本当に心から笑ってる顔、久々に見た気がする。


姉さんと義兄さんが亡くなって、いろいろあって家に来て、お前仕事とかで愛想笑いする事はあっても…俺達に心配かけまいと笑顔見せる事はあっても…心からの笑顔は見せた事はなかったもんな。


あいつのお蔭か。」
「蓮くん。」
蓮くんはずっと私の事を気にかけてくれてたんだと、改めて気づかされた。



「李緒、そろそろ仕事を減らしていかないか?」
「でも…」
私は蓮くんの提案を断ろうとすると、蓮くんがそれを遮り、再び話し出した。