「ありがとう、晶。」
少し晶は焦ってるみたいだったけど、私はそう伝えた。



すると、晶も抱き締めてくれた。




「全然。」
「晶。
私は本当に幸せだよ。


晶が思ってる以上に、晶の事好きだからね。」
私は普段だったら恥ずかしくて絶対言えないけど、どうしても言いたくなって一生懸命そう伝えた。



すると、晶は一旦離れて、キスをした。

私は嫌じゃなかったけど、ビックリして何も言えなくなった。




「李緒、ビックリした?」
晶は少し悪戯っぽく笑って、そう聞いてきた。


「うん。」
「こういうの嫌?」
「ううん…嬉しいよ。

ビックリしたけど。」
私は正直にそう答えた。


でも、初めてじゃないのが申し訳なかった。




私のファーストキスは、初主演のドラマでだった。



ごめんね、晶。





「李緒、来年も一緒にここに来てくれる?」
晶は少し真剣な顔でそう聞いてきた。



でも、私はどう答えたら良いんだろう?


きっと、私は来年の今日にはもうこの世には居ないと思う。

そう考えると、『そうだね。』くらいしか言えなかった。





「じゃあ、そろそろ帰ろっか。」
晶がそう言って先に立ち、私も立ち上がったのを確認すると、公園の出入り口に向かって歩き出した。




でも、私はもう少ししたら会えなくなる気がして…自分自身でもその道を選ぶ気がして。

無意識のうちに晶の背中にしがみついた。