それで、何となく私の意図に気づいた晶が、プリクラ機を指差しながらそう聞いた。



「うん。
実は夢だったんだよね。

彼氏が出来たら、一回は撮ってみたいなって。


ダメ?」
私は笑顔で話した後、晶にそう聞いた。


「俺がダメって言うわけないだろ?

李緒がしたいって言うなら、何でもやっちまうんだからさ。

俺はそれくらいお前の事好きなんだ。」
あんまりにもまっすぐに優しい笑顔でそう言うもんだから、こっちが何だか恥ずかしくなってしまった。


「あっ、照れてる。」
「うるさい。
…ほら、行くよ。」
指差して笑う晶の腕を引っ張って、プリクラ機の中に入っていった。



ほとんど私のチョイスで背景とか選んで、ちょっと大胆に晶とくっついてみたり、後ろから抱き締められたりしながら、何回か撮った。


普段雑誌の撮影とかでは全然緊張しないのに、何故か晶とのプリクラ撮影は凄い緊張した。




これが私達にとって、最初で最後の一枚になる事知ってたから。

だから、普段しないような事も出来たんだと思う。





「あっ、出てきた。
ありがとう、晶。」
出来上がったプリクラを取り出して、私は晶にお礼を言った。


何故か涙まで出そう。





夢だとはいえ、残ってしまうものを作ってしまった。

想い出に残るようなもの、残してごめん。


心の中でそう謝った。