そして、私達は蓮くんの家に居候する事になったけど、何もしないわけにはいかないと思い、蓮くんの事務所で働く事にした。

普通の会社なら、小学生が働くのは無理だけど、芸能事務所だったので小学生向けのファッション誌のモデルとして活動する事にした。


その頃から私のマネージャーは蓮くんの彼女で、ビジネスパートナーでもある美希さんが勤めてくれてる。

美希さんは私が蓮くんに引き取られた頃から、私達兄妹によくしてくれていて、私が心を許してるうちの1人だ。



始めはアニもモデルや子役として仕事をしていて、結構同世代の子達から人気があった。

でも、今はもう辞めてしまった。


私が原因で。
アニは違うと言うけれど、きっとあの事が原因であろう。



そして、私はいつ頃からか気づけば二重人格ばりに学校と仕事場での顔を使い分けるようになっていた。


元々頭が良く勉強は出来たが、特別目立たぬように勉強は手を抜き、テストでも真ん中くらいの点を取るように心掛けている。
体育は理由があって出来ない。


すぐ具合が悪くなってしまうから…。


それは、アニが仕事を辞めてしまった理由とも繋がっている……。




その理由は、私がまだ中学2年生の頃の事…たまたま風邪をこじらせ、仕事も立て込んでたので軽いうちにと早めに病院に行った。


そこで、私の人生が大きく揺らぐ事になろうとは思いもしなかった。



「碧井さん、心臓に不整脈が見られますね。
詳しい検査をしたいので、暫く入院してもらえますか??」
ただ、風邪の診察を受けに行っただけなのに、急にそんな思ってもなかった事を言われて、凄く戸惑った。


でも、いくらそれが気になってても仕事が立て込んでて、すぐには無理だったので、今入ってる仕事を終えたら数日休みにしてもらい、その時に検査してもらう事になった。

結果は何故か保護者も呼ぶように言われ、蓮くんと一緒に患者相談用の個室に入った。



「あの…検査の結果は?」
「はい。……でも、その前に李緒さんにお聞きしたい事があります。」
蓮くんの少し緊張しつつ投げ掛けた問いかけに頷きつつ、医師は私に視線を移しそう尋ねた。


「はい、何ですか??」
「いつ頃からか心臓に痛みがある事があるとかないですか??」
「…えっ、あ、はい。
…たまに……。」