「ねぇ、君。
モデルとか女優やってる李緒に似てるね。

高校生?」
その男の子は明るくそう聞いてきた。


「誰ですか、その人…。
そんな人、知りません。


あの…人と待ち合わせしてるんで。」
私は内心少し焦ったけど、表情や態度に出さないようにして、男の子から離れようとした。


けど、一瞬のうちに腕を掴まれてしまった。



「待ってよ。

もしかして、本物とか?
まぁ、君美人だしさ。
どっちでも良いんだけど…。


あっ、そうだ。
待ち合わせ断ってさ、俺とどっか遊びにいかない??

俺、嵐って言うんだけど…君名前は?」
何か一気にペラペラといろいろ話されて、どうして良いのか困った。



「困ります。
手放してください。」
「良いじゃん、別に。」
私が必死に腕を放すように言っても、なかなか嵐とかいう子は放してくれなかった。




てか、いい加減ほっといてほしい。

バレたらまずいし…。




困り果てていたその時…私の後ろからニュッと手が伸びてきて、誰かが自分の身体の方に私を引き寄せた。


振り向くと、晶だった。