「んー、私あんまり出掛けた事ないからなぁ…。

晶は何処か行きたいとこないの?」
「えっ、俺?
俺は…。」
まさか聞き返されるとは思ってなかったようで、電話の向こうで少し焦ってるようだった。



「私、初めてなんだよね…家族以外で出掛けるの。
実は。

だから、晶が好きな場所とか行きたいとこに連れてって??」
「まじで?
前の彼氏とかと行った事ないの??」
晶は意外そうに聞いてきた。


「付き合う事すら、晶が初めてだよ?」
「そっか。
俺も初めて。

じゃあ、定番の映画でも観に行く?」
「あっ、そうだ!
映画ならこの前に、今結構話題の映画のチケットが、仕事関係の人にもらったのだったらあるよ?」
「まじで?
じゃあそれ観ようよ!!

で、その後ご飯食べに行こっか??」
「うん、了解!
楽しみにしてるね。」
意外とすんなりと行くとこも決まって、私は明日が凄い楽しみになった。



「じゃあまた明日。」
「明日ね。」
そんな会話をして、私達は名残惜しそうに電話を切った。