「仕方ないっすよ。
李緒は凄い頑固者だから、俺の言う事聞いてくれませんし。

それに、こいつにも普通の人と同じように幸せを感じてほしいんです。」
アニは呆れたような困ったような……複雑そうに先生に答えた。




アニには何度も同じ事を言われた。

でも、絶対に私が聞かないのをもう分かってるから…呆れてるんだよね。


それに今でもこんな私の幸せを願ってくれてる。


もう充分過ぎるくらい幸せなんだけど…。




「ごめんなさい。」
私は2人共に謝った。


「ほんとに強情な奴だな。
あとで恨まれても知らないぞ?」
「それならそれで良いです。
残して逝くんだから。」
「うちの妹変わってるでしょ?」
「あぁ。」
アニと先生は顔を見合わせて、苦笑いを浮かべた。




それからも、私は周りの制止も聞かずに、翌日には退院して忙しい日々を続けて過ごした。



でも、何も変わってないわけじゃない。

晶とは学校に行っても行かなくても、連絡を取り合った。



先輩達も、あの後謝ってくれて、それからは何もされなくなった。




高校2年生の2学期もあっという間に過ぎて、冬休みを迎えた。