その後、親戚の間で誰が私達兄妹を引き取るかもめた。

皆、子供の私から見てもパパ達の財産目当てだって分かった。

実際に私達の事を取ってつけた感じで心配してると言いつつも、お金が一番欲しいというような感じで皆言い争っていた。



そして、1番がめつそうなママの従姉にあたる人の家に引き取られたが、お金目当てで引き取られた私達兄妹の待遇は決して良いものではなかった。

財産は幼い歳の私達がすぐに使えるわけではないので、それまで面倒見て恩を売って、後々お金をむしり取るつもりだったのだろう。


そこの家には私達のはとこにあたる姉弟が居たが、何かと悪さをしては全部私達のせいにしたり…よく溜まった鬱憤の捌け口にされ、殴られたり蹴られたりもした。

傷は結構目立つとこにあったのに、おばさんは知らん顔、おじさんも家族に頭が上がらなかった。


だから、私達兄妹は時間の許す限り公園で時間を潰していた。

公園の遊具で遊ぶでもなく、かといって人付き合いが苦手な私に友達が居るでもなく……。



そんな私の傍にはいつもアニが居てくれた。
アニは私とは違って、友達も居たし、その子達と遊ぶ事も出来たのにいつも1人の私の傍に居てくれた。


本当にただベンチに座って、他の子達が遊んでるのを尻目にボーっとしたり、たまに話したり…。

でも、アニとは話さなくても不思議と気まずさはなかった。





そんな時、たまたま心配してママの弟の蓮くんが会いに来てくれた。


蓮くんだって会社経営してるから忙しかったはずなのに…よくおばさん家の近くの小さな公園でブランコに座って話をした。


でも、私もアニも蓮くんに迷惑かける気なんてなかったから、おばさん家で受けてる事なんて何も言わなかった。



でも、蓮くんは私達兄妹の体の傷に気づいて、引き取ってくれた。

おばさん達とちょっともめたけど、傷の事とかあったし、虐待に近かったからそれを問いただされて、何も言えなくなったみたい。