「晶、とりあえず放して?」
しばらく晶は何も言わなくて、さすがに恥ずかしくなってそう頼んだ。


「嫌って言ったらどうする?」
「ちょっと困る。」
晶は私がそう答えると、ゆっくりと放してくれた。



「そんなに俺が嫌?…嫌い??」
晶は少し不安そうにそう聞いた。


「違うよ。」
「じゃあ、本当は俺の事どう思ってる?

何聞いても大丈夫だから、正直に答えてほしい。」
「好きだよ…。
晶の事、好きなんだと思う。」
晶に本当の気持ちは言えたものの、さすがに恥ずかしくて目は見れなかった。



「ほんとに?」
晶は目を輝かせて、確かめるようにそう聞いてきた。


「うん。」
「じゃあ目を見て言って?」
「それは…恥ずかしくてさすがに…。」
「そっか。
じゃあもう良い。」
晶はそう言うと、方向転換して病室の入り口の方へと歩いて行った。



「待って!」
勢いよく起き上がって晶を追いかけようとしたので、点滴が吊ってあった台が倒れてしまった。


私も晶も大きな音がしたので、そっちに自然と向いていた。



「行かないで。」
私はゆっくりと晶の方を向いてそう言った。