何故か昼からの授業も自習になっていた。


終わりのホームルームの時間になって、やっと小島が帰って来て、生徒達の質問にはノーコメントで下校させた。



俺は残って、事情を聞こうとしたが教えてもらえなかった。


ただ、入院先の住所が書いてあるメモを渡されただけだった。




すぐに病院に向かい、病室に急ぐとその病室の前に備え付けられた椅子に知らない男の人と陸斗先輩、香苗さんが下を向いた状態で腰掛けているのを見つけた。



「先輩。」
先輩を呼ぶと3人とも顔をゆっくりあげて、俺を見た。


「南郷。
さっきは悪かったな。

蓮兄、夜白…こいつ、李緒の友達。」
先輩は力なく謝って、隣の男の人と香苗さんに紹介した。



「初めまして。
俺は李緒と陸斗の叔父の相楽蓮。」
「隣のクラスの南郷くん…。

あなたがりーチャンの。」
叔父の蓮さんが自己紹介した後、俺を見つめて香苗さんが呟くようにそう言った。



「どうも…南郷晶です。」
俺は一礼して、蓮さんに自分も名前を名乗った。



「…それで、李緒は大丈夫なんですか?」
「李緒はまだ…。」
「どうして李緒は倒れたんですか?

一体、何があったんですか??」
「それは…。」
先輩は何か迷ったように言葉を濁した。