「どういう事?」
「あのね…私言ってなかったけど、今はママの弟の蓮くん…叔父さんとアニと3人暮らしなの。」
「親御さんは?」
「私達が小学生の頃に2人とも…。

だから、ちょっと羨ましいな。」
「そっか。

ごめん。
俺、相当無神経な事言ってたな。」
「ううん。」
晶があまりにもシュンとするもんだから、私は必死で否定した。


「でね、叔父さんに養ってもらうのは申し訳ないから、叔父さんが経営してる会社でバイトしてるの。

だから、ちょっと学校に来れない時もあって。」
私はタレントをやってる事だけ省いて話した。



「そうなんだ。
学校に来てる日も?」
「まぁ、たまに…。」
「無理とかしてない?」
晶は心配そうに顔を歪めて、少し首を傾げながらそう聞いてきた。


「大丈夫、大丈夫!」
「そう…無理すんなよ?」
「うん。
心配してくれてありがとう。」
私は安心させるように明るめにそう答えた。



そう話していると、1限目の授業が始まるチャイムが鳴った。

「そろそろ戻らないと。」
「私、もう少しここに居るよ。」
「成績落ちるぞ?」
「大丈夫。
私、頭良いから。」
「はいはい。
じゃあ後でな。」
「うん。」
晶はそう言うと、先に教室へと戻って行った。