「アニ…私の事、大事に想ってくれてるのは分かるよ。


……でも、私の事だけ考えてだったら駄目だよ。


それに、もし好きだとしてよ…仮定で…そうだとしても、付き合って私達最期はお互いに後悔するよ、きっと。

それなら、始めから好きなんて気持ち持たない方が良いでしょ。」
私は多分悲しそうな顔をしつつ、自嘲気味にそう言った。


「李緒、そんだけ考えてるって事はやっぱりあいつの事が好きなんだと思うぞ?

友達になって、まだ日が浅いとかそんな事関係なく…。
病気の事も関係なく。」
「アニ、そうなのかもしれなくても認めちゃいけないんだよ。
この気持ちは……。


晶、ほんとに良い人だから、だからこそ傷つけられない。」
「俺はそれは付き合い方によると思うけど…。

まぁ、お前らの問題だ。
ゆっくり考えてみろよ。」
アニは優しく諭すようにそう言って、頭を撫でてくれた。



「うん。
ありがとね…アニ。」
「いいえ。

今日はスケジュール確認に来ただけなんだろ?
もう帰るか…買い物してさ。

今日は李緒の好きなオムライス作ってやるから。」
「…うん。」
アニは、気遣ってそう言ってくれた。



多分仕事の時以外は休んでろって事だと思う…。

あんまり直接言わないけど、本当は仕事に明け暮れる私を誰よりも心配してくれてるから。




その日は、絶品のアニ特製のオムライスを食べて、早めに眠りに就いた。







2日間、本当にバタバタしてた。
晶からメールが来てたけど、どう返したら良いのか分からなかったから、結局そのまま返さなかった…。