「李緒、何か変わった?
気になる奴が出来たとか…。」
「うーん。
まぁ、どういう意味でかは分からないけど、最近気になる人は居るかな。」
「そっか。
もしかして、この前屋上行った時に一緒に居た奴?」
「うん。
凄い普通なんだけど、変わってるの。」
「へぇー。
久しぶりに知らない奴と一緒に居るの見て、変だなと思ってたんだ。

やっぱりか。」
アニは私の話を聞いて、少し寂しそうな顔をした。


「アニ?
何でそんな顔すんの??」
私は何でそんな顔をするのかよく分からなかった。


「いや。
…何か置いてかれたような……お前が遠くに行ってしまうような感じがしたから。」
「アニ、そんなわけないでしょ。」
アニは『だよな。』なんて言いながらも、まだ微妙そうだった。



でも、ほんとだよ。
アニは何があっても、私の大事な人だから離れてなんて行かないよ。


それに、絶対これ以上は進めない。
これ以上は…絶対に…駄目。


だから、気にしないで。
もうそんな長くないけど……、最期まで必ずアニ達のそばに居る。


まぁ、そんな事恥ずかしくて、さすがに言えないけど…。



でも、本当にパパとママが亡くなってから、ずっと私の事を想ってくれて……そばに居てくれて……守ってくれて……感謝してる。



それなのに、ずっと一緒に居てあげられなくてごめんね。

悲しませてばかりでごめんね。


『ありがとう。』って、ちゃんといつか言えたら良いな。