「ただいまより第16回嬌琳高校入学式をはじめます。」

瑞希はあの後なんとか入学生の中に入り、入場できた。

先輩がはじめの言葉をいい、舞台から降りる。

それと同時にかかる「着席」の声。

私はイスに座ると無意識に頭をキョロキョロさせていた。


あの綺麗な男の子を捜していた・・・。

(あれぇ?あの子、1年生じゃないのかな・・・??)

キョロキョロしすぎて、あまりに不審に思ったのか隣の子が

「どうしたの?」

と聞いてきた。

「いや、なんでもないょ」

そういって私は少しずれたイスを静かになおし、前を向いた。

それでも、頭の中はあの子の事ばかり。

「次にクラス発表。担任の先生に名前を呼ばれた生徒は返事をして起立をするように」

担任がマイクを持つ。

次々に名前が呼ばれていく。

隣の子が立った。


「楢崎 瑞希」


「はぃ」

私は返事をして言われたとおりに立った。


どんどん進んで、私のクラスの生徒も座っているのはごくわずか。

そんな中小さな問題が起きた。

「向日 空」

・・・・・・・・・・・。

「向日 空??」

その生徒の席からは返事がしない。

「おかしいなぁ・・・さっき見たんだけど・・・。」

隣にいる生徒がつぶやいた。

もしかして・・・・・・・・・・・!!

あの、綺麗な子・・・・

向日 空

あの子向日空って言うんだ・・・。

今いないっていうことは・・・、まだ寝てる・・ょね?

あぁーー・・・起こしてあげればよかった・・・。

瑞希は軽く反省した。